「ブラックでも融資可能」が気になる人へ

ブラックでもキャッシング可能?!甘い言葉につられそうになった人へ

キャッシングのサイトなどを見ていたら、しばしば「ブラックでもキャッシング可能」「ブラックでも審査が通る」などの文句が並んでいます。「審査に通りにくいからこそのブラックじゃないの?」とこの謳い文句に疑問を持つ人、また、これが本当であれば助かる人もいるでしょう。「ブラック」についての真相を見ていきましょう。

そもそも、この「ブラック」という言葉は「ブラックリスト」の略です。今までに返済が延滞したり、返済できなくなり破産に至ったなどの事故情報を持つ、融資対象者としては不適格な人のことを指します。よく「ブラックリストに載る」などと使われますが、ブラックリストは本当に存在するのでしょうか。

実際のところ金融機関はそれぞれの会社で、顧客の個人情報やどれくらいの額を融資しているのか、その返済はどうなっているのかなどの情報をデータとして集め、管理しています。その中にはきちんと返済をしてくれる「優秀な」顧客もいますが、中には返済の滞っている顧客もいます。会社にとっては、返済してくれない顧客は「融資不適格者」となりますから、そのような人をデータとして集め、リスト化して把握しています。これがブラックリストと近しいものになっているのです。

さらに、金融業界では信用情報センターを通じて、金融機関同士で事故情報を得られます。ある金融会社が借り入れ申込者について信用情報センターに問い合わせると、その申込者が事故情報を持っていればすぐにそれが分かってしまうのです。事故情報はひとつの会社だけでなく、金融業界全体で共有されているのです。これから、いろいろな金融業者から借金をしている人が他の業者の審査に通りにくいことが分かるでしょう。

事故情報は5~10年ほど消えず、その間のキャッシングはほぼ不可能でしょう。それもそのはず、金融会社も商売ですから事故情報を持つ相手にはお金を貸したくはないはずです。しかし、「ブラックでもキャッシング可能」という言葉は存在するのはどうしてでしょうか。

実は、事故情報を持つ人でも借り入れができる場合があります。過去に自己破産しているけれど免責が決定された場合や、債務整理をして全て返済し終わった場合などが当てはまります。ポイントは、現在借り入れがないこと、そして現在借り入れがある場合は延滞していないか、です。そのような人は、過去に事故情報に載ってはいたけれど、お金を貸してもきちんと返してくれるだろうと見込めれば、お金を貸してくれる金融業者も探せばあるのです。

しかし、忘れてはいけないのが、悪徳業者の存在です。「ブラックでもキャッシング可能」を掲げる全ての金融業者がそうではないのですが、中には甘い言葉につられてやって来た人を搾取する闇金融業者が存在するのも確かです。自己破産者など事故情報を持っている人にとっては、そのような言葉は魅力的です。ついついそのような言葉に引っ張られ、足を踏み入れてしまうということがないように、怪しい業者には絶対に近づいてはいけません。

「ここなら、もしかして借りられるのでは?」。そう思った時ほど、一度足を止めて考えてみてください。世の中はおいしい話ばかりではないのですから。